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平成29年度 富山県高等学校生徒指導連絡協議会 講演後アンケート結果

実施日2018.01.17

このアンケート調査は、2018年(平成30年)1月17日に行われた富山県 高等学校生徒指導連絡協議会の講演後に実施しました。

対象は、受講された県内の公立、私立の高等学校及び特別支援学校の先生方(約70名)です。

アンケート回収数は64名です。

性の多様性への関心

Q1 あなたは、LGBTや性の多様性について、これまで関心はありましたか?

Q11 お勤め先の学校に、性のあり方(セクシュアリティ)について悩んでいる児童生徒がいるかもしれないという認識はありましたか?

LGBTや性の多様性に「多少の関心はあった」「関心を持っていた」先生は、合計71%でした。

勤務先の学校に、性のあり方で悩んでいる児童生徒がいるかもしれないという認識が「あった」先生は、約半数の49%でした。

知識、理解度

Q2 これまでにLGBTや性の多様性に関する講演・研修などを受けられたことはありましたか?

Q3 LGBTをご存知でしたか?

Q4 文部科学省からの「性同一性障害や性的指向・性自認に係る、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について(教職員向け)」(平成28年4月)は知っていましたか?

LGBTや性の多様性に関する講演や研修は、92%の先生が初めての受講でした。

LGBTの言葉や意味について聞いたところ、「意味も知っていた」が47%であったのに対し、「意味までは知らなかった」25%、「LGBTという言葉も知らなかった」が28%でした。

また、平成28年4月に文部科学省から出された教職員向け通知に関しては、内容を「十分に読んでいた」「多少は読んでいた」という先生が合計23%であったのに対し、通知を「知らなかった」「知っていたが、内容までは読んでいなかった」を合わせると、77%にのぼりました。およそ4分の3の先生が文部科学省からの教職員向け通知の内容を読んでいなかったという結果でした。

児童生徒への対応について

Q13 今後、セクシュアリティで悩む児童生徒がいた場合、その対応についてどう感じていますか?

性のあり方(セクシュアリティ)で悩む児童生徒がいた場合の対応については、「まったく不安はない」「それほど不安はない」の合計が33%であったのに対し、「やや不安がある」「とても不安がある」を合わせると67%でした。

具体的にどんなことに不安を感じるかお聞きしたところ、「言葉のかけ方、声かけの仕方がわからない」、「どのような配慮をすればよいかわからない」「他の生徒にどのように伝えるか」などの声や「教職員の十分な理解が得られるか」「すべての教員が同じように対応できるか」などについての不安を持っている先生もおられました。

学校でできることについて

Q12 性の多様性を伝えるために、あなたの学校でできることは何かありますか?(複数回答可)

性の多様性を伝えるために学校でできることをお聞きしたところ、「啓発ポスターの掲示」「差別的な言動を注意する」「関連図書を置く」の順に多くなりました。「学級便りなどで保護者に伝える」は7人でした。

まとめ

LGBTや性の多様性への関心をもつ先生の割合は7割を越え、勤務先の学校にLGBTの児童生徒がいるかもしれないという認識を持つ先生の割合は49%でした。

しかし、半数を超える先生方がLGBTという言葉を知らなかった、意味を知らなかったとの回答でした。

また、平成28年4月に出された文部科学省からの教職員向け通知に関しては、4分の3を超える先生方が内容を読んでおられませんでした。

そして、LGBTなど性のあり方に悩む児童生徒がいた場合の対応について、何らかの不安を感じている先生は67%にのぼりました。

LGBTや性の多様性への関心の高さの反面、先生方がもつ知識や情報がまだ不十分であり、その結果、LGBTなど性のあり方に悩む児童生徒の対応に不安を感じていると推察されます

約9割の先生方が今回のようなLGBTや性の多様性に関する講演・研修は初めてであったことから、今後も先生方が正確な知識や情報を得る機会、LGBT当事者を招いて話を聴くなどの機会を、教育委員会や各学校が作っていくことが大切です。

知識や当事者の気持ちを知るためには、学校に関連図書を置く、教職員での勉強会をする、学校に当事者や講師を招くなどの方法があると思います。

文部科学省からの教職員向け通知には、「学校における支援の事例」や「特有の支援の仕方」なども記載されています。

今回受講された先生のうち、およそ4分の3の先生がまだ目を通しておられなかったので、まずはご一読いただくのがよいと思います。

また、児童生徒や保護者への啓発のためには、ポスターを掲示する、関連図書を置く、性の多様性について肯定的に伝える、差別的な言動を注意する、学級便りなどで保護者へ伝えるといった方法も効果があると思います。

今回の講演で配布したポスターやパンフレット、講演レジュメなどを活用していただき、まずは教職員の知識、理解を進めていくことが必要です。

どんな児童生徒も過ごしやすい学校環境を整えていってくださることを願っています。

アンケート調査結果の詳細については、添付ファイルをご覧ください。

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